ブロークバック・マウンテン

アン・リー監督作品も禁止 中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060129-00000081-kyodo-ent

ゴールデン・グローブ賞で作品賞などを今月受賞した映画「ブロークバック・マウンテン」(アン・リー監督)が、中国本土では上映されない見通しとなった。同性愛を描いた作品のため「テーマが敏感」として中国当局が上映を禁じたという。

ブロークバック・マウンテン」を上映中止 ユタ州の映画館
http://cnn.co.jp/showbiz/CNN200601090013.html

配給元のフォーカス・フィーチャーズによると、上映開始の数時間前になって、映画館側が「ライセンス契約に違反した」ため、上映を拒否したという。

ユタ州保守系団体「ユタ・イーグル・フォーラム」のゲイル・ルジチカ会長は、この映画の上映中止はユタ州の人々にとって良い手本を示したと歓迎。「上映が中止になったことで、この作品のどこかに問題があるのだと、若者にも分かるだろう」と話している。

一方、ユタ州の同性愛権利拡張団体のマイク・トンプソン事務局長は、「これだけ美しく、前評判が良くて映画賞も取っている作品を、個人的な偏見でユタ州の人々に見せないのは、残念なことだ」と語っている。

以下、ネタバレが含まれますが、「男らしい」カウボーイ社会の根底にあるゲイへの憎悪など。
ゲイ西部劇『ブロークバック・マウンテン』。男はみんなゲイである(ネタバレ注意)
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20051221

アニー・プルーが原作小説を「ニューヨーカー」誌に発表したのは1997年だが、
翌1998年、小説の内容が現実になった。
プルーの家に近いワイオミング州ララミーで、ゲイの大学生マシュー・シェパードが二人の男に牧場でリンチされ、フェンスに縛られて絶命するという事件が起こったのだ。
カウボーイは日本のサムライと同じく、アメリカ人の男らしさの象徴である。
カントリー&ウェスタンを聴くような西部や南部の男たちは保守的で過剰に男らしさに執着し、ゲイを憎む傾向がある。

日本で同性愛者が権利運動を大々的に行うことが、海外に比べて少ないのは、もともと、日本では同性愛者がそれほど抑圧されていなかった、という考え方があります。差別されていないわけではないですが、少なくとも、宗教や法律で同性愛を禁じませんでした。ゲイに関しての理解が進んでいると思われがちなアメリカですら、田舎の保守派という人々は、今でも相当にゲイを憎んでいるし、宗教者がゲイへの差別を正当化したり、法律で「同性愛」ということ自体を処罰の対象としているのです。日本では、そこまで激烈なゲイへの憎悪というものがあまりなかったようです。